親族が亡くなり、今回初めて喪主を務めさせて頂くことになりました。
初めてのことなので、葬儀の際にどのように挨拶をすれば分かりません。
挨拶の際の注意事項などがあれば教えてください。
このようなご質問を頂くことがございますが、実際、喪主を務めるということは
人生においてそう多いものではありません。
いざ喪主を務めることになっても、ご親族を失った悲しみの中に
準備をしないといけないため、非常に悩まれてしまうと思います。
そこで今回は喪主のご挨拶についてご紹介をさせて頂きます。
喪主のご挨拶は葬儀の様々な場面で必要となりますので、
場面(通夜、告別式の出棺時、精進落とし)に応じて相応しい挨拶が行えるようにそれぞれご紹介致します。
〇ご挨拶の際の基本事項とポイント
場面ごとのご挨拶の内容をご紹介する前に、喪主のご挨拶全般に共通する基本事項と
ポイントからお話をさせて頂きます。
まずご挨拶の基本ですが、以下の5点を確認しておくと良いでしょう。
・お葬式の内容
1. 喪主の自己紹介を行う。(故人と喪主との関係)
2. 会葬者への参列へのお礼の言葉を伝える。
3. 故人が亡くなった時の状況を伝える。
4. 生前のお礼を伝える。
5. 故人の思い出やエピソードを伝える。
会葬者へのご挨拶、参列のお礼、生前のお礼はある程度事前に定型の形でご挨拶を用意しておくとよいです。
エピソードは生前の故人の人柄を表す話などをあまり長くならないような形でお伝えすると良いです。
故人が亡くなった時の状況というのは「〇月〇日家族の皆に見守られながら
眠るように安らかに息を引き取りました」といったように亡くなった時の状況をお伝えします。
また挨拶のポイントには次の点が挙げられます。
・葬式、葬儀の意味
1. 忌み言葉の使用は避ける。
2. 聞き取りやすいように、慌てずにゆっくりとはっきりした声で話す。
3. 難しい言葉は使わないでシンプルにする。
ご挨拶のマナーとして「忌み言葉」を使用することは避けましょう。
例えば「九、四」のような不吉と呼ばれる数字、「苦しむ、とんだこと、災難」などの
不幸な言葉、不幸が重なることを連想させる「重ね重ね」などの忌み言葉は言わないようにしましょう。
また畏まった席なので、難しい言葉でお伝えしようとすると緊張などからご挨拶がより難しいものになってしまいます。
〇それぞれの場面に応じたご挨拶例
ここからは通夜、告別式の出棺時、精進落としのそれぞれの挨拶例をご紹介させて頂きます。
・通夜挨拶
本日は大変お忙しい中、故○○の通夜式にお集まり下さり、誠にありがとうございます。
生前、親しくして頂いた皆様方にお越し頂きまして、故○○もきっと喜んでいる事と思います。
お陰をもちまして、滞りなく通夜を終了させて頂きましたこと、大変感謝申し上げます。
なお、明日の告別式ですが〇〇時より〇〇で執り行わせて頂きます。
参列頂ける皆様は明日もどうぞよろしくお願いいたします。誠に勝手ではございますが、本日はこの辺で終了とさせて頂きます。
本日は誠にありがとうございました。
・通夜振る舞い
本日はお忙しい中、故○○の通夜にお集まり頂きまして、誠にありがとうございます。
ささやかではございますが、別室にてお食事のご用意をしております。
お時間のご都合がよろしければ、お召し上がり頂きながら、故〇〇の思い出話などお聞かせ頂ければ幸いです。
・告別式(親族代表挨拶例)
遺族・親族を代表いたしまして、謹んでご挨拶申し上げます。
本日は、大変お忙しいところ、父○○の葬儀にご会葬くださいまして、誠にありがとうございました。
おかげさまを持ちまして、故〇〇の葬儀告別式もとどこおりなくすませる事が出来ました。
今ここに最後のお見送りまでいただきまして、故人もさぞかし皆様のご厚情に感謝しているものと存じます。
なお遺族に対しましては今後とも個人生前同様、皆様のご指導とご厚誼を賜りますようお願い申し上げましてお礼のご挨拶といたします。
本日はありがとうございました。
出棺時(遺族・親族の挨拶例)
遺族・親族を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
本日は、ご多用中の処、多数のご会葬お焼香を賜りまして心より御礼申し上げます。
お陰をもちまして告別式もとどこおりなく相済(あいず)みましてこれより出棺の運びとなりました。
生前は皆様に一方ならぬご厚誼にあずかり、いまここに最後のお見送りまでいただきまして、故人も皆様のご厚情に深く感謝いたしていると思います。
なお、残されました〇〇〇〇に対しましても今後ともご指導とご厚誼賜りますようお願い申し上げます。
簡単ではございますがご挨拶に代えさせていただきます。
本日はありがとうございました。
出棺時(遺族・親族の挨拶例)
遺族・親族を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
本日は、ご多用中の処、多数のご会葬お焼香を賜りまして心より御礼申し上げます。
お陰をもちまして告別式もとどこおりなく相済(あいず)みましてこれより出棺の運びとなりました。
生前は皆様に一方ならぬご厚誼にあずかり、いまここに最後のお見送りまでいただきまして、故人も皆様のご厚情に深く感謝いたしていると思います。
なお、残されました〇〇〇〇に対しましても今後ともご指導とご厚誼賜りますようお願い申し上げます。
簡単ではございますがご挨拶に代えさせていただきます。
本日はありがとうございました。
精進落とし(施主挨拶例)
皆様にはご多用中のところ、昨夜の通夜から本日の葬儀ならびに告別式そしてお疲れのところ
野辺の送りまでご一緒していただきまして、誠にありがとうございました。
おかげさまを持ちまして葬儀もとどこおりなく厳粛のうちにあい済ませることが出来ました。
さぞかし故人〇〇も皆様のご厚情に感謝しているものと存じます。
なお皆様には今後とも故人生前同様のご指導とご厚誼を賜りますようお願い申し上げましてお礼の挨拶といたします。
ここに心ばかりではございますが精進落としの席を用意いたしましたのでどうぞごゆっくりおすぎ氏いただきたいと存じます。
本日はありがとうございました。
喪主として遺族を代表して挨拶を行うことは、責任も大きくとても緊張するものです。
だからといって、うまくやろう、良く見せようとするのではなく、参列頂いた方々への感謝の気持ち、故人に対する感謝の気持ちをしっかりと表現できれば、うまくできなくても必ず想いは伝わるものです。
ここまでご紹介した内容はあくまで参考になりますが、喪主様の一助とさせて頂けたら幸いです。
今回の記事も最後まで読んで頂きましてありがとうございました。